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肺炎球菌ワクチンの予防効果が明らかに

2017年01月26日

熱帯医学研究所臨床感染症学分野の有吉紅也教授・森本浩之輔准教授・鈴木基助教らの研究グループは、平成26年に高齢者に対する定期接種が始まった23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(23価肺炎球菌ワクチン)による肺炎球菌性肺炎の血清型別予防効果を明らかにしました。

肺炎球菌は肺炎の原因として最も多い細菌です。肺炎球菌には90種類以上の血清型がありますが、23価肺炎球菌ワクチンは、そのうちの特に感染症を起こしやすい23種類の血清型をターゲットにしたワクチンです。このワクチンは世界中で30年の使用実績があり、稀に発生する敗血症のような重症感染症の予防効果は証明されていましたが、より一般的である肺炎を予防する効果については正確な値がわかっていませんでした。

研究グループは、平成23年から4年間にわたって全国4か所の医療施設で65歳以上の肺炎患者のサンプルとデータを集めて分析し、23価肺炎球菌ワクチンは、23種類の血清型による肺炎球菌性肺炎を33.5%減少させ、全肺炎球菌性肺炎を27.4%減少させることを明らかにしました。仮にわが国の65歳以上の高齢者が全員接種すると、年間約10万人の肺炎が減少することが期待され、現在行われている高齢者に対する定期接種の重要性が確認されました。この研究は、高齢者における23価肺炎球菌ワクチンの肺炎球菌性肺炎の予防効果を、血清型別に解明した世界で初めての研究であり、日本のみならず、世界のワクチン政策に大きく貢献する研究です。

今回の研究成果は、英医学誌「ランセット・インフェクシャス・ディジージズ(Lancet Infectious Diseases)」のオンライン版で1月23日(月)23:30(UK time・日本時間1月24日(火)8:30)に掲載されました。

論文タイトル
Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study
和訳
23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンの、65歳以上の肺炎球菌性肺炎における血清型別の予防効果

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