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日本住血吸虫症のワクチン/薬剤開発を目指した免疫遺伝学研究

2014年04月02日

日本住血吸虫症は広くアジア地域に蔓延する蠕虫性の寄生虫感染症である。プラジカンテルという特効薬があるものの、治療後再感染することや人獣共通感染症であることなどから制圧の困難な顧みられない熱帯感染症として認識され、新たな制圧法をめざした研究が行われている。
長崎大学熱帯医学研究所教授 平山謙二博士はすでにワクチンや薬剤の標的分子の探索において業績をあげているが、最近、ヒト宿主との相互作用に直接関与し、寄生現象あるいはヒト免疫応答に重要な機能を果たしている可能性がある寄生虫膜表面あるいは分泌性のタンパクの同定に成功し、これらをコードする興味ある遺伝子族を発見した。一連の研究の成果は平山博士の住血吸虫症および免疫遺伝学の幅広い知識と豊富な経験、研究ネットワークによりもたらされたものであり、関連する研究の中でも先端的かつ独創的で、寄生虫学の今後の発展に新規な知見と情報を与えるものである。
寄生虫学会は平山博士の上記の業績を顕彰し、今後さらに住血吸虫の寄生メカニズムあるいはヒトの免疫応答に関する基礎生物学/医学研究の発展に邁進し、“顧みられない熱帯感染症”である住血吸虫症の流行制御法の開発に貢献することを期待し小泉賞を授与した。

【参考文献】
Mbanefo EC, Hirayama K. Characterization of a Gene Family Encoding SEA (Sea-urchin Sperm Protein, Enterokinase and Agrin)-Domain Proteins with Lectin-Like and Heme-Binding Properties from Schistosoma japonicum. PLoS Negl Trop Dis. 2014 Jan 9;8(1):e2644.
Mbanefo EC, Yu C, Hirayama K. Origin of a novel protein-coding gene family with similar signal sequence in Schistosoma japonicum. BMC Genomics. 2012 Jun 20;13(1):260
Watanabe K, Hirayama K. The miniature pig: a unique experimental model for Schistosoma japonicum infection. Parasitol Int: 53(4): 293-299, 2004
Yu C, Hirayama K,. Characterization of cDNA from the miracidial antigen family of Schistosoma japonicum (Chinese strain).Chin Med J (Engl). Aug;116(8):1239-43. 2003
Chen H, Hirayama K. Vaccination of domestic pig with recombinant paramyosin against Schistosoma japonicum in China. Vaccine, 18(20): 2142-2146, 2000

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