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私たちと一緒に、「未来を切り開く力」を磨きましょう

2018年01月26日

受験生の皆さんへ

   1月13日(土)と14日(日)に実施されました大学入試センター試験では、これまでの力を発揮できたことと思います。受験生の皆さん、お疲れ様でした。今は、2月25日(日)の個別学力検査のために鋭意努力しているところでしょう。

   長崎大学を受験しようと考えている方は、すでにご存じの方も多いと思いますが、長崎大学は非常に個性的な大学です。長崎大学は、医学、歯学、薬学、工学、教育学、経済学、水産学、環境科学、多文化社会学の実学(役に立つ学問)系9つの学部で構成されています。これらを並べてみると、海を通して世界と繫がる長崎の世界観が反映されていることが分かります。長年にわたる実学の蓄積は、「現場に強い大学、危機に強い大学、行動する大学」という長崎大学の個性となり、東日本大震災をはじめ、災害時の被災地支援活動などによって社会から大きな評価をいただきました。国内に限らず、アフリカを含めた海外での支援活動も評価いただいています。長崎大学は、この伝統的とも呼べる個性を学び、将来、それぞれの領域のエキスパートとして活躍する素養の修得のための機会を提供しています。

   長崎大学では、ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)として、4年間あるいは6年間の教育プログラムに定められた単位を修得し、以下の素養を身につけたものに対して学位(学士)を授与します。

     1. 自ら学び、考え、主張し、行動することができる
  2. 分野・領域を超えて活用できる汎用可能な技術を身につけている
  3. 専門職業人や研究者としての基盤的知識・技能を修得し、高い倫理観を身に付けている
  4. 地域環境と社会の多様性を理解している
  5. 主体性をもって他者と協働できる
  6. 地域社会および将来世代に貢献するグローバルな視点を身につけている

   皆さんがこのような力を身につけるために、長崎大学では、教育の在り方を大きく変えています。まず、これまでの教員から学生への一方向の知識伝達型授業から、学生の主体的な学びを重視する学生参加型の授業への転換を図りました。さらに、学生が自らの学修成果を振り返り、自らの成長の軌跡を確認できるような学修ポートフォリオシステムを構築しています。このシステムにより、学生自身が定期的に自らを評価し、今後の学びの在り方を考えることができるようになっています。長崎大学は、皆さんが主体的に考え、行動できるよう、あらゆる角度から支援したいと考えています。災害支援やボランティアだけでなく、社会の一員として自立することや研究者としての道を進むことも主体性を持って実施できるとき、それはすべて社会貢献となります。皆さんが知識を享受するだけの受け身の存在ではなく、学生の学習時間を十分に確保し、教員や他の学生と共に新たな知を模索していく主体的な存在として輝ける豊かな時間を全力で提供します。

   ここで、大切なことは、主役は学生であるということです。新しい未来を切り開くのは皆さん自身です。私が皆さんに望むことは、「学びと勇気ある挑戦」です。21世紀はこれまでの時代と異なり、いろいろなことが高速で変容しています。社会の内向き傾向を反映して小さくまとまっていては、今後の予測困難な未来を生き抜くことは難しいでしょう。このような大変容の時代を担うために、主体的に考え、未知の未来を切り開く力が重要となってきます。そのために、学生は研究にも参画し、国内及び海外の経験を積み、あらゆる問題に柔軟に対応できる力を身につけていきます。教養教育および専門教育を、これまで以上に充実させていく方針です。

   主体性や自立は、時代の流れとは関係無く、いつの時代も変わらぬ本質です。そして、いつの時代も成長のために必要な時期は訪れます。周囲と一緒に相乗的に成長する時期は、精神的にも恵まれた時期と考えます。挑戦しては失敗し、さらにその失敗を糧として、新たな挑戦を続ける勇気が大事です。成功し続ける人生では、大きな成長を遂げることはできません。成功し続けるためには、そもそも挑戦を選ぶようになり、勝てる勝負しかしなくなります。教育の過程での失敗は、買ってでもすべきです。

   やりがいのある舞台が皆さんを待っています。長崎大学が提供するカリキュラムやキャンパス環境をそれぞれのやり方で活用して、将来それぞれの領域のエキスパートとして活躍することを期待しています。

   約1か月後には、個別学力検査が実施されます。全力で臨むために、どうぞお身体にお気をつけてお過ごしください。

   4月の入学式でお会いできることを、楽しみにしています。

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